炭水化物の問題点

はじめに


最近では「糖質制限」、「ローカーボ」などの言葉で炭水化物を減らして健康を維持する方が増えてきています。ただ、炭水化物を食べないと身体に影響がある、という声があるのも事実です。


しかし、それらすべての批判に対する論証がすでにそろっています。そして、赤ちゃんにとっても「炭水化物」は不要であるばかりか、害になることも分かってきています。

 

ここでは、最新の研究から明らかになった「炭水化物」の問題点を学んでいきましょう。

炭水化物とは


炭水化物とは米、小麦などの穀物に多く含まれている栄養素で「糖質+食物繊維」です。

炭水化物は脂質、たんぱく質と並んで3大栄養素のひとつにされています。それは、摂取するエネルギーが大きいことからそう呼ばれるようになりました。

 

日本人は白米を主食とし、赤ちゃんにも白米から作ったお粥を食べさせる習慣があります。

しかし、白米はエネルギーこそ多いですが、赤ちゃんにとって大切な栄養素である鉄、亜鉛、カルシウムなどの必須栄養素が少なく、母乳に不足する栄養を補うことはできません。

 

お粥だけから必須栄養素を補おうとすると、たくさんの白米が必要になりますが、白米は食物繊維が多く胃腸に負担になります。消化能力が未熟な赤ちゃんに10倍粥などを食べさせていますが、水分が多いばかりで、肝心の必須栄養素は不足します。


赤ちゃんの胃の容量は200ml程度と小さく、十分な栄養素を得ることはできません。すると鉄分不足や亜鉛不足に陥り、赤ちゃんの健康を害することになります。

 

また、炭水化物に含まれる糖質を食べさせすぎると血糖値は一気に上がります。血糖値が140を超えると血管をダイレクトに傷つけてしまいますが、それを防ぐため膵臓からインスリンというホルモンが分泌し、上がりすぎた血糖値を下げ始めます。


すると、今度はアドレナリンなどの興奮作用のあるホルモンが血糖値を上げようとはたらきます。このような血糖値の乱高下(グルコーススパイク)は、赤ちゃんの身体にとって大きな負担となります。


離乳食を始めた6ヶ月頃より、ぐずりや夜泣きが多くなるのもうなずけます。こんなことが一日に2回も3回も起きてしまうのが、炭水化物を主食にした現代人の身体です。

 

しかし、たんぱく質と脂質は血糖値をほとんど上げません。

肉も脂も血糖値にはほとんど影響せず、赤ちゃんの胃腸の負担となる食物繊維はほとんどなく、さらに鉄分や亜鉛などの必須栄養素が豊富に含まれています。

 

パンやうどんの原料である小麦も、血糖値を白米以上に上げます。また、小麦には麻薬並の依存性がある「エクソルフィン」という物質が合成されます。アヘンの患者の依存を解く薬がエクソルフィンにも効果があることから発見されました。


さらに、小麦に含まれる「グルテン」というたんぱく質が、グルテン過敏症を起こし「ADHD」「自閉症スペクトラム」「うつ」「双極性障害」などとして表れることも近年指摘されています。


 

 こういった病気を防ぐためにも、赤ちゃんの頃から小麦を控えた食生活を送る必要があります。保育園、幼稚園、小学校の給食ではまだ小麦の害についての理解が浸透していないため避けることは難しいですが、知識を持った市民が増えていくことが大切です。ぜひ、小麦の害についても学んでいってください。

 

炭水化物を摂らなくても大丈夫


現代人は炭水化物、つまり糖質を主なエネルギー源にしています。(食物繊維にはエネルギーがありません)よく「糖質は脳の唯一のエネルギーです」というCMを見かけますが、あれは嘘です。


実は、脳は「ケトン体」という物質もエネルギーにすることができます。脳だけではなく、赤血球以外の細胞はケトン体をエネルギーにできますし、そのほうがエネルギー効率が良いこともわかっています。


赤血球は血液の中の酸素を細胞に届ける役割をしています。糖質は血液内で血糖となり、赤血球の栄養となるために存在しています。その血糖は食事から得る以外に、肝臓で作ることが出来ます。これを「糖新生」といいます。


つまり、肝臓がきちんと「糖新生」を行うことができれば、わざわざ糖質を摂取しなくてもよいのです。全身の細胞はケトン体があれば問題なく生きていけます。

 

「ケトン体」は脂肪を分解したときにできる燃えカスのようなもので、胎児には多量のケトン体が存在することが明らかになりました。つまり、胎児はケトン体をメインエネルギーにして成長しているのです。

 

出産後、母乳から得た乳糖は腸内細菌によりアミノ酸に合成されるため、糖質として使われるのは半分程度と言われています。乳児はケトン体をエネルギーとして使うことができるのです。

 

しかし、離乳食を開始し糖質が体内に大量に入ってくると、ケトン体をエネルギーとする回路は閉じてしまいます。するとケトン体も使われなくなり、減少していきます。

 

哺乳食で糖質を制限すればケトン体をメインエネルギーすることができます。ケトン体をメインエネルギーにしていくことで、ホルモン代謝が安定し穏やかな性格になります。夜泣きやぐずりもあまりしません。「てんかん」という病気にこのケトン体を増やす食事(ケトン食)が以前から効果があることがわかっています。


つまり糖質を制限しケトン体をメインエネルギーにしていれば「てんかん」を予防することも可能とも言えます。それだけでなく、小麦のグルテン過敏症を予防することで「ADHD」や「自閉症スペクトラム」や脳神経疾患を避けることもできます。

 

また、大人でもケトン体をメインエネルギーにして生活することが可能です。「ケトジェニックダイエット」(ダイエットとは食習慣の意味です)と呼ばれます。


ケトジェニックダイエットは抗癌剤に替わる食事療法になると言われています。

それは、がん細胞が「糖質」をメインエネルギーにしているため、「糖質」の摂取を減らしケトン体をメインエネルギーにするケトジェニックダイエットにより癌を死滅させられる可能性があるからだと言われています。


アルツハイマー病認知症、糖尿病に対してもこのケトジェニックダイエットが効果的であることがわかっています。なぜ、こんなにもケトン体はいろんな病気に良いのでしょうか。

 

それは、「糖質」こそが病気を招いているからです。

糖質は新しい栄養素


実は、人間が糖質と関わり始めたのはごく最近になってからです。といっても1万年ほど前の農耕が始まってからですが。しかし、人間の歴史700万年(サヘラントロプス・チャデンシス)から比べればつい最近です。


それまで人間は狩猟採集により、肉や魚・木の実・野菜・キノコを中心に食べて命を繋いできました。もちろん農耕など始まっていませんので、穀物である米や小麦はありません。例えあったとしても、火を使うまでは栄養にすることもできません。

 

一年のうちごくたまに得られる果物に糖質が含まれていますが、今の果物ほど甘くはありません。今の果物の甘さは品種改良を重ねてきた結果です。糖質はラッキー食材であったと考えられています。


たまに得られる貴重な栄養素である糖質は、この先生きていくために、すぐエネルギーとしてすぐ使うのではなく、体脂肪として蓄え飢餓に備える仕組みができました。原始時代は飢餓との戦いだったのです。

 

しかし、糖質があふれた現代ではエネルギーとして消費されず余った分は、憎き体脂肪としてお腹まわりに鎮座します。


歩く距離や活動量が少なくなった現代人に、白米・ラーメン・パスタ・そば・パン・デニッシュ・ケーキ・マフィン・チョコレートなど、本当は必要ないのです(糖質中毒の人にはやめがたい食べものばかり)。ただ体脂肪を増やしたい方は別ですが。

必要なのは人間として生きていくために欠くことが出来ない「必須栄養素」と水だけです。

 

原始時代の人間の栄養バランスに近づけるための食事「パレオダイエット」や「ケトジェニックダイエット」「先住民食」「原始人食」「ローカーボ」「低炭水化物」など、様々な名称はありますが、基本は糖質制限です。

MEC食のススメ


最近では「糖質制限」という制約的な側面からではなく、必須栄養素を補うことをテーマにした「MEC食©」という食事法が話題になっています。


MECとは肉(meat) チーズ(cheese)卵(egg)の頭文字をとったもので、一日に肉200g,卵3個、チーズ120gを摂取することで必須栄養素がほとんどすべて補うことができます。


唯一不足するビタミンCは葉野菜などで補います。そして、必須栄養素ではない糖質の摂取を控えます。このMEC食によって不定愁訴(頭痛・肩こり・生理不順・下痢・便秘など)が改善したり、ダイエットに成功したり、妊娠できたという人々が続出しています。


私自身も産後ダイエットにMEC食を取り入れ、半年で8kg減量することができました。補乳食はこのMEC食から着想を得ました。つまり、「補乳食とは母乳に不足する必須栄養素を補い、非必須栄養素である糖質を控えること」です。


MEC食に興味のある方はこちらの本を読んでから実践してください。