断乳より卒乳を

あなたは本当に母乳育児をやめたいですか?


最近では「卒乳」という言い方も一般的になっていますが、断乳とは「日にちを決めてその日から母乳栄養をやめること」を言います。つまり「まだ母乳を飲んでいたい子ども、飲ませたい母親の気持ちを抑えて母乳育児を終わらせること」とも言えます。

 

この「断乳」が実は昨今問題となるケースが増えてきています。断乳は母子ともに負担が大きく、特に子どもにとっては将来に大きな影響を及ぼす可能性が指摘されています。例えば、「おっぱいを飲みたい」という欲求が満たされないことで空虚感が生まれ、将来過食症になったり、何かしらの依存症になるリスクが高まると言われています。


実際、断乳を経験した方が大人になって過食嘔吐を繰り返すようになり、退行催眠により原因が「断乳のトラウマ」であった、というケースがあります。精神的な母子の負担の大きさという点で、断乳はデメリットが大きいでしょう。

 

また、母乳は栄養学的、免疫学的にも優れていると言われています。栄養学的に言えば、母乳は乳児に必要な栄養の半分以上を補っています。「1歳を過ぎると母乳に栄養はない」というのは嘘です。


母乳で得られるはずの栄養を食事から摂らせようとすれば、一回に食べれる量が少ない乳児は食事回数を増やさなければなりません。すると、食事の準備に時間がかかったり、衛生面でのリスクが高まったり、費用が嵩むという問題が出てきます。

 

免疫学的な面では、母乳を介して母親が持っている免疫を子どもに与えることが出来るということがひとつ。さらに、子どもが外でもらってきた抗原に対し、母乳を介して母親の体内に入り抗体を作って、それをまた母乳を介して子どもに返す、という免疫機構もあります。つまり母子の間で抗原と抗体を共有しているのです。

仕事復帰をどうするか?


いくら母乳育児が良いからとはいえ、経済的に仕事復帰をせざるを得ないママがたくさんいます。保育園に入る前に急いで断乳をさせようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。

 

でも待ってください。本当に断乳しなければ保育園に入れないのでしょうか?0歳クラス、または1歳クラスであれば母乳栄養を続けていても問題ない場合がほとんどです。


それ以降になると、またそれぞれ違ってくるかもしれませんが、たとえ2歳、3歳になっても母乳を与えることはできます。

 

実は、ママが仕事に復帰しても母乳育児は可能です。

ママが母乳育児をやめたいと思っていないのであれば、無理にやめる必要もありません。

仕事復帰に向けて・・・


基本的な方法を挙げます。あなたにとって一番やりやすい方法でアレンジしてみてください。

 

 

①仕事復帰前に日中の授乳回数を少しずつ減らしていく(数週間から数ヶ月かけてゆっくり準備する)

 

②日中の授乳を昼と夕方にし、夜間は好きなだけ母乳を飲ませる

 

③日中の授乳をやめ、数分だけ搾乳する。夕方と夜間は好きなだけ飲ませる

 

 

ここで大切なのは、授乳をしなくても搾乳をすることです。搾乳をすることで射乳反射が起き、乳汁の製造に必要なプロラクチンの血中濃度が維持できます。少なくとも4時間おきに授乳または搾乳を続けていないと母乳を出すためのホルモンであるプロラクチンの濃度が低下し、母乳量を維持できなくなりますので、忘れずに行ってください。

 

搾乳は30秒すれば大丈夫と言われていますが、可能であれば数分は行うようにしておくと安心です。

 

そして、仕事復帰後はお昼休みなどにトイレで搾乳を続けることで母乳育児を継続することができます。

 

搾乳は捨てても良いですし、保存バックに保存していれば室温で8時間まで保存が可能です。

 

 

是非、赤ちゃんのためにも母乳育児を続けてくださいね。