よい補乳食とは

良い補乳食の条件


補乳食の必要性で示したように、母乳に不足する栄養素を補える食材をバランスよく取り入れた補乳食が基本となります。ここではさらに詳しく「よい補乳食」について解説します。

  1. エネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルに富んでいる
  2. 衛生的で安全である
  3. 辛すぎず、塩辛すぎない
  4. 赤ちゃんが食べやすい
  5. 赤ちゃんに好まれる
  6. 地域で入手可能、購入可能
  7. 準備しやすい

1.エネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルに富んでいる


これは補乳食の基本となる必須栄養素が豊富に含まれている食材を摂り、非必須栄養素の炭水化物(糖質)を避けることも意味します。なぜ炭水化物(糖質)を避ける必要があるかについてはこちらのページをお読みください。

 

母乳に不足する必須栄養素を補える食材としては、レバー、肉、卵黄、魚卵、海藻類などです。これらの食材を中心に補乳食を準備しましょう。

2.衛生的で安全である


まだ免疫力が弱い赤ちゃんは雑菌に対して抵抗力がない場合が多いです。

そのため、赤ちゃんに食べさせないほうがよいとされている食材がいくつかあります。

  • はちみつ・・・ボツリヌス菌に対する抵抗力が弱い赤ちゃんは避ける必要があります。1歳ごろまでは与えない方が良いとされています。
  • ヨーグルト、チーズ・・・チーズは種類にもよりますが、カビが生えている種類のチーズは赤ちゃんが下痢をする可能性があります。またプロセスチーズは乳化剤が使われており添加物が多く含まれています。気にさせれる方は避けるようにしましょう。ヨーグルトも乳酸菌が多く、赤ちゃんの腸内にある母乳をアミノ酸に変えるための腸内細菌のバランスを崩して下痢になる可能性があるため、少量から様子をみて食べさせ始めましょう。
  • ナッツ・・・ナッツに含まれるフィチン酸はミネラルの吸収を阻害する作用があります。また、カビが生えやすいので1歳までは避けましょう。
  • 卵白・・・一般的にアレルギーを起こす赤ちゃんが多い食材です。また、卵白には卵黄が細菌に汚染されないよう保護する役割もあり、細菌が潜んでいる可能性があります。与えるときは火を通し、少量からにしましょう。

また、食器の衛生面や保存方法についても注意しましょう。

 

補乳食は作りおきができますが、基本的には冷凍庫で保管し1週間を目処に使いきりましょう。また、外に持って行く時は温めなおしてからではなく、常温で解凍してから食べさせてあげましょう。


一度解凍すると、冷めるまでの間に雑菌が繁殖しやすくなります。

3.辛すぎず、塩辛すぎない


 赤ちゃんの食事は薄味が基本ですが、まったく塩を入れないのは問題があります。なぜなら、ナトリウムが母乳には不足するからです。ナトリウムは必要量の10%程度しかありません。


ですので、補乳食には塩を薄めに入れてあげましょう。ただし、食卓塩は塩化ナトリウムのみでナトリウムの摂り過ぎになってしまうので、マグネシウム等のミネラルが豊富な天然塩(天日塩)を使ってあげましょう。


また、赤ちゃんにとってスパイスは刺激になりますのでとくに必要ありません。(国によってはとうがらしの効いた食事を食べさせているところもありますが…)

4.赤ちゃんが食べやすい


赤ちゃんにとって食べやすい補乳食とは

  • しっとりとまとまっているもの
  • ドロドロし過ぎていないもの
  • 熱くない、冷たくないもの
  • 歯茎でほぐせるもの
  • パサパサしていないもの

を基本に形状を調整していってください。

 

白米やパンから作るおかゆを食べさせるのはやめましょう。おかゆやパンは栄養がほとんどないばかりか、食物繊維が多すぎ赤ちゃんが便秘、ひどくなれば腸閉塞を起こします。詳しくはこちらで解説します。

 

形状は月齢が進むに連れ変化させていいですが、最初はペーストから始めます。ペーストにするにはミキサーがあると一番手っ取り早く準備しやすいですが、すり鉢や茶こしなどを使うことも可能です。


また、肉類はペーストにすると繊維同士がくっつくため水分を加える必要がありますが、スロークッカーや圧力鍋でトロトロになるまで煮込むと繊維がほぐれ、赤ちゃんが食べやすくなります。

 

何よりも大事なのは、赤ちゃんが食べやすそうかどうかを観察し、その様子によって形状を変えてあげることです。うちの娘は生後7ヶ月でフライドチキンを手でほぐして与えると食べられました。


これは稀なことではありません。肉は消化が悪いと言われていますが、そんなことはありません。肉は食物の中でも消化しやすい食べ物なのです。


赤ちゃんにとってもそれは同じ。ある程度ほぐしてあげれば歯茎で噛んで、すんなり飲み込むこともできます。(逆に一番消化できないのは食物繊維です)

 

また、「歯が生え揃わない時期から咀嚼をさせると歯並びに影響がある」という都市伝説もありますが、そんなことはありません。歯並びや骨格の問題は妊娠前のママが天然のビタミンAをきちんと摂取していたかどうか、に関わります。


ビタミンAは胎児の骨格形成に大きく関わります。歯並びの悪さは遺伝ではないのです。



 こちらの文献でビタミンAと骨格形成に関するエビデンスを参照できます。歯並びの悪さ、虫歯のなりやすさは食生活の問題であることが数々のフィールドワークにより証明されています。

 

ただし、あなたの赤ちゃんが同じ月齢でフライドチキンを食べれるかどうかはわかりません。きちんと様子をみて最適な形状の補乳食を食べさせてあげてください。

5.赤ちゃんに好まれる


赤ちゃんが一番好きなものは母乳です。母乳には100gあたり乳糖6.89g、脂肪分4.38g、たんぱく質1.03gが含まれています。


乳糖は腸内細菌によりアミノ酸に作り変えられ、腸壁を通して吸収したんぱく質になります。ただ、補乳食で甘みのあるものを食べさせてしまうと母乳を飲まなくなることがあるので、補乳食は基本的に砂糖を使ってはいけません。

 

赤ちゃんは脂肪分の多いものが大好きです。調理にはバター、ラード、ココナッツオイルなどの良質なオイルを使ってあげましょう。バターやホイップした純正生クリームはそのまま食べさせてあげることもできます。

 

飽和脂肪酸は健康への影響が言われていますが、最近の研究では逆に人間にとって無くてはならない脂肪であることがわかってきました。


コレステロールや飽和脂肪酸についての詳しい情報はジョン・ブリファ著書「やせたければ脂肪をたくさんとりなさい」、渡辺信幸著書「野菜中心をやめなさい」を始め、たくさんの文献がございます。ぜひ一度お読みください。

 

 

 

 

 

 

サラダ油やキャノーラ油、ごま油などのω6系脂肪酸は、アトピー性皮膚炎などの炎症を起こす可能性があるほか、環境ホルモン作用もありますので使用しないでください。


また、オリーブオイルは高級な物(低温圧搾法)以外は化学溶剤を使って油を抽出しており、健康への悪影響が確認されているので避けましょう。

6.地域で入手可能、購入可能


巷には様々な健康情報が溢れており「抗生剤、ホルモン剤を使用していない牧草牛が良い」「平飼い卵じゃなきゃ赤ちゃんに食べさせてはいけない」「添加物は一切摂らせてはいけない」とかジビエ(狩猟)肉が良いなどと言われています。


もちろん、それが手に入る環境や経済状況であれば、赤ちゃんにとってそれが最も良いでしょう。しかし、みんながみんな恵まれた環境・経済状況であるわけではありません。苦労しなければ手に入らないものを毎日の食事の中に取り入れるのはなかなか大変です。

 

そこで最低限、栄養素がきちんと満たされ、それが継続して与えられる補乳食を基本に食材の選択をしましょう。状況が許すなら、無添加、無農薬を大いにご活用ください。

7.準備しやすい


 どんなに良い補乳食でも、準備が面倒で調理に負担がかかっては続けていくことはできません。手早くたくさん作って、ストックできるよう、調理器具を用意しておくと良いでしょう。

 

あると便利なものは

 

  • ミキサー(ブレンダー、フードプロセッサーなど)
  • シリコンカップ
  • 冷凍保存できるポリバッグ

 

ミキサーさえあれば、調理が断然楽になります。1週間分まとめて作れるよう1リットル以上の容量があると良いでしょう。


また、ペーストで食べる期間は半年もないので、ミキサーを持っていない方はわざわざ買わずに茶こし器・裏ごし器、すり鉢などで調理することは手間が少しかかりますが可能です。

 

調理した哺乳食はシリコンカップに入れて冷凍保存し、食べさせる前に電子レンジか蒸し器で温めればOK。

 

また、食物アレルギーがないことを確認した食材が増えてくれば、大人と同じメニューを食べさせてあげてください。その際は味付けをする前に赤ちゃんの分を取り分けるか、味付けをした後赤ちゃんの分を薄めるなどで対応するだけです。


食材が大きくても煮込み料理であれば煮込んでいるうちに崩しやすくなります。