妊娠しやすい身体づくり

必須栄養素とは


妊娠しやすい身体を作るために不可欠なのが「必須栄養素」です。

これがどれかひとつでも不足すると妊娠の可能性は低くなります。


必須栄養素とは、体内で作ることができない栄養素のことです。

上の図のうち、必須栄養素はたんぱく質(必須アミノ酸)、脂質(必須脂肪酸)、ビタミン、ミネラルです。

 

たんぱく質は食べると体内でアミノ酸という小さい単位に分解され吸収されます。

このアミノ酸のうち、体内で作ることができないのが必須アミノ酸であり、20種類あります。

 


脂質は摂取すると脂肪酸に分解されます。体内で合成できない必須脂肪酸は「リノール酸」と「αリノレン酸」です。

 

リノール酸は摂り過ぎるとアレルギーや皮膚炎、癌、動脈硬化、うつ病、神経症、その他の炎症性の病気を引き起こします。

αリノレン酸はリノール酸の摂り過ぎによる害を抑える働きがあります。

 

現代人はリノール酸の過剰摂取により様々な炎症性疾患を発病していると言えます。

 


ビタミンには水溶性と脂溶性があります。

水溶性にはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3ナイアシン)、ビタミンB5:(パントテン酸)、ビタミンB6ビタミンB7:(ビオチン)、ビタミンB9:(酸)、ビタミンB12、ビタミンCがあります。


脂溶性にはビタミンA 、ビタミンDビタミンEビタミンKがあります。

 


ミネラルにはナトリウムマグネシウムリン硫黄 、塩素カリウムカルシウムクロムマンガンコバルト 、亜鉛セレンモリブデンヨウ素があります。

 

 

たんぱく質


妊娠しやすい身体を作るためにまず大切なのがたんぱく質です。

たんぱく質は皮膚、髪の毛、爪、血管、内臓、筋肉、酵素、ホルモンなどの材料となります。

 

妊娠しやすい身体を作るために摂取すべき一日のたんぱく質の量は体重1kgあたり

1〜1.5gです。体重50kgだと50g〜75gです。

これは牛肉だと500g、卵だと10個、チーズだと250g食べないと摂取できない量です。

もちろん単品だけで食べるわけではないので、たんぱく質食品を組み合わせて食べることになります。

 

たんぱく質を効率よく吸収するためにはすべての必須アミノ酸がバランス良くそろっている必要があります。このバランスの良さを表す値を「アミノ酸スコア」と言います。

 

アミノ酸スコアが最も高いのは卵の100です。

牛肉は80となります。

 

肉や魚の場合、生の状態のたんぱく質も火を通すことで量が半減してしまいます。それを考慮した上でたんぱく質の量を確保する必要があります。

 

豆腐や豆乳などの植物性たんぱく質は動物性たんぱく質に比べてアミノ酸スコアが低く(豆腐67)、また内分泌かく乱作用もあるため、過剰摂取は不妊を招きます。

 

肉、卵、チーズで一日の必要量を摂取しようとすると、かなりの量になることがわかります。炭水化物を食べている余裕などないのが現状です。

非必須栄養素の炭水化物を食べるより、必須アミノ酸が豊富な肉、卵、チーズを優先して摂取するようにしましょう。

コレステロール


コレステロールは動物性脂肪に多く含まれる物質です。

ダイエット中や健康のために控えている人が多いと思いますが、実はコレステロールを控えても痩せるわけではないし、健康になるわけでもありません。

 

むしろ、血中コレステロール値が低い人の方が死亡率が高いのです。

また、動脈硬化の原因ではないことも判明しています。

 

食事中のコレステロールを控えることが妊娠を遠ざけているかもしれません。

 

コレステロールにはホルモンを作る働きがあります。男性ホルモンも女性ホルモンもコレステロールを原料にしています。

コレステロールが不足するとその分、性ホルモンも減ってしまいます。

 

また、ストレスに対抗するための副腎皮質ホルモンもコレステロールから作られます。

食事中のコレステロールを避けている人、ストレスの多い生活をしている人ほど妊娠しにくい体質となっている可能性があります。

 

血中のコレステロールの量は肝臓が調整しています。

コレステロールの摂取が十分な人は身体の修復やホルモンの原料にまわります。

よく聞くHDLコレステロールは肝臓から組織に運ばれ、LDLコレステロールは身体の組織の修復が終わって帰っていくコレステロールです。

どちらも大切な役割があります。

 

女性ホルモンのためにも、食事のコレステロールを必要以上に減らすより、肉・卵・チーズなどのたんぱく質をしっかり摂ることが必要です。

 


鉄は妊娠を考えている女性が積極的に摂取すべき栄養素です

 

なぜなら、鉄は粘膜の材料になり、子宮の環境を整えてくれるからです。

また、妊娠すると赤ちゃんに優先的に運ばれてしまい、ママが貧血になりやすくなります。

さらに、妊娠中、血液量が増えるため、多くの鉄を必要とします。

 

鉄が不足した状態で妊娠すると、赤ちゃんも鉄不足になってしまいます。

 

 

鉄や美容、体脂肪燃焼にも大きく関わっています。

 

コラーゲンはシミやシワを防ぎ美肌効果がありますが、鉄がないと体内で分解されてしまいなくなってしまいます。

ニキビや湿疹ができやすいのも鉄不足が関係しています。

 

体脂肪を燃焼させるためには鉄およびカルニチンが必要になります。

これらは羊肉に多く含まれています。

羊肉は脂肪燃焼効果が高い食材です。積極的に食べましょう。

 

ほうれん草やひじきなどの植物性の鉄は、動物性に比べ体内への吸収率が5〜10分の1程度と非常に悪いので、鉄を摂りたいなら肉やレバーがおすすめです。

 

葉酸、ビタミンB12


葉酸には赤ちゃんの脳を発育を促し、神経をつくる働きがあります。脳神経は妊娠6週目頃にほぼできあがりますが、この時期はまだ妊娠に気がついていない可能性もあります。


妊活中で、実は妊娠しており、葉酸欠乏あると赤ちゃんの脳の発育に影響することがあるのです。


葉酸欠乏は、神経管閉鎖障害という脳や脊髄の異常により二分脊椎症や無能症などの先天異常を起こしてしまう障害です。


ビタミンB12には葉酸を活性化し、血液を作る働きもあります。ビタミンB12と葉酸は常にセットで摂取するようにしましょう。

これらは肉・卵・チーズなどの乳製品に多く含まれています。積極的に摂取しましょう。

ビタミンc、ビタミンE


ビタミンCは果物や野菜に多く含まれ、美容面で重要な栄養素です。

またビタミンCは外部から受けるストレス(風邪、人混み、喫煙、飲酒、過度の運動)から守る働きがあります。

この働きが「抗酸化作用」です。

 

身体がストレスを受けると「活性酸素」が発生します。

活性酸素は老化や病気を引き起こす一因になります。活性酸素が細胞を傷つけ遺伝子を傷付け老化を促進します(酸化)。

ストレスが多ければ多いほど、ビタミンC を始め、必要な栄養素はどんどん消耗してしまいます。

 

細胞が酸化し傷つくと妊娠が遠ざかるばかりか、病気の引き金にもなります。

なるべくストレスの少ない環境をつくるか、ビタミンCを積極的に摂取する必要があります。しかし、ビタミンCは摂取しても30分程度で体外に排出されてしまいます。

 

ビタミンCは体の中で作ることはできませんが、リサイクルする機能があります。しかし、糖質を多く摂取してしまうとこのリサイクル機能は働きません。

ビタミンCのドリンクには糖質が多く含まれていますので、せっかく摂取しても尿で流れでてしまいます。

果物の糖質も食べ過ぎればビタミンCを浪費してしまいます。


 

ビタミンEはあんこうの肝、魚卵、ナッツ類、オイル、アボカドなどに多く含まれています。

ビタミンEには血行を促進する作用、冷え性の改善、自律神経の調整、ホルモンを活性化する作用があり、ビタミンEが不足していると生理不順や生理痛が重い、胃腸の調子が悪いといった症状として現れます

 

また、ビタミンEにも抗酸化作用があります。ビタミンCと一緒に取ることでその働きは強化されます。ビタミンCのリサイクルはビタミンEがないと働きません。

ビタミンCとEの抗酸化作用が卵子の老化(酸化)を防いでくれるのです。

 

アボカドにレモン汁入の手作りドレッシングをかけると一緒に摂取することができます。

糖質制限


糖質をとれば必ず血糖が上がります。上がったままだと血管が傷つけられてしまうため、インスリンが分泌されます。


妊娠を考えている女性にとって問題なのは、血糖を下げようとするインスリンというホルモンの過剰分泌が排卵障害の重大な原因になっていたり、子宮内膜症(子宮内膜が子宮外で増殖する病気で不妊の一因)の発症や進展を促すことです。

 

現代人の食生活は糖質過多の傾向があります。糖質を取り過ぎないように意識して食べないと、それだけで妊娠から遠ざかることになってしまいます。

妊娠を考えたらできるだけ糖質の低い食品を選び、お菓子や甘いものを避ける努力が必要になります。


また、美容や健康のための果物やスムージ、青汁も実は糖質過多となります。


果物には果糖という糖分が多く含まれており、果糖を摂取すると血糖値を上げてしまい、ホルモンバランスを崩します。食べるときは少量をプレーンヨーグルトに和えて食べるようにしましょう。


果汁100%のジュースは食物繊維もなく果物の一気食いになってしまうので、血糖値を急上昇させてしまいます。


スムージーや青汁は食物繊維は残っているものの、噛む行為がなく満足感が得られにくいため、過剰摂取に繋がります。



玄米菜食(マクロビオティック)をしている方は必須栄養素が不足し体調が悪くなっていく場合が多いです。さらに、玄米とは言え糖質が含まれている食品なので、血糖値の上昇は避けられません。


基本は主食抜き、食べたい時は肉・卵・チーズをたっぷり食べた後、ほんの少し玄米を食べる程度にしておきましょう。

おそらく満腹で食べられないのですが。


毎日の食生活で「カロリー」を気にすることはあっても「糖質」を気にすることは少なかったでしょう。確かに糖質は身体を動かすエネルギーにはなりますが、効率の悪い栄養素で、しかも必須ではありません。


さらに肥満や不妊の原因となるのであれば、迷わず積極的に糖質制限をする必要があることはもうおわかりでしょう。


今日から主食は「肉・卵・チーズ」です。


参考:

油の正しい選び方・摂り方(奥山治美 農文協)、図で見てわかる栄養セラピー 妊娠体質に変わる食事(定真理子 青春出版社)、「野菜中心」をやめなさい(渡辺信幸 宝島社)