健康な赤ちゃんのために

妊娠しやすい体質に整えたら、いつ赤ちゃんが来てもいいように準備しましょう。

特に妊娠が判明するまでの妊娠初期は赤ちゃんの成長が著しく、必要な栄養素が欠乏すると赤ちゃんの正常な成長・発達を阻害する可能性があります。


赤ちゃんがお腹の中で健康に育ち産まれてこれるよう、しっかり栄養を摂りましょう。

亜鉛


  • 赤ちゃんの成長を促す

妊娠28週目以降から、赤ちゃんはママから亜鉛を吸収し始めます。ママの亜鉛摂取が足りないと、赤ちゃんも亜鉛欠乏で低体重、低身長などの影響が起こりえます。

  • 正常な細胞分裂を行う

胎内で赤ちゃん大きく成長するためには、細胞分裂が正常に繰り返される必要があります。亜鉛はその細胞分裂を正常に促す働きがあります。

  • 皮膚を保護する

亜鉛不足により皮膚が弱くなる、アトピー性皮膚炎といった影響が出る可能性があります。

  • アレルギーを防ぐ

出産後、亜鉛は赤ちゃんの免疫機能を作るために必要となります。産後、初乳にはその後の母乳の8倍の亜鉛が含まれていると言われています。妊娠中にママの亜鉛が不足していると、産後の母乳にも亜鉛が不足しがちになりアレルギーの問題が起こりやすくなるでしょう。

  • 正常な味覚をつくる

亜鉛は舌で味を感じる味蕾という部分を正常に働かせる役割があります。妊娠中に亜鉛が不足すると赤ちゃんの味覚にも影響することになります。

 

 

【亜鉛を多く含む食材】

牡蠣、レバー、ナッツ類、牛肉、うなぎ、チーズ、ラム肉など

ビタミンB群


ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸をまとめてビタミンB群と呼びます。

 

妊娠中に大切なB群はB6、B12、葉酸、ビオチンです。

 

 

ビタミンB6

  • 心身の安定

上の図のように、ビタミンB6はたんぱく質からセロトニンという心身の安定、心の安らぎを司る神経伝達物質を作る際に必要な栄養素です。これが不足するとイライラしたり落ち着きがなくなったりします

  • 赤ちゃんの夜泣き予防

授乳中のママが欠乏すると赤ちゃんも落ち着きがなくなったり、夜泣きが悪化することもあるようです。

ビタミンB6が十分に足りていれば子育ても楽だといいます。

  •  つわり軽減

ビタミンB6は妊娠初期のつわりを軽減してくれる働きもあります。詳しくはこちらを御覧ください。

 

【ビタミンB6の多い食材】

レバー、豚肉、鮭など

ビオチン

 

  • 奇形予防

動物実験では母体にビオチンが欠乏すると口蓋裂、小顎症、短肢症、内臓形成障害などの奇形が起きるという報告があります。しかし過剰摂取した場合にも催奇形性が確認されているため、サプリメントよりも食事から適量摂取する程度で十分でしょう。

 

ビオチンは腸内細菌でつくられる栄養素であり、欠乏症が心配ないとされていましたが、ママの腸内環境が悪く(喫煙、飲酒、ストレス、乳製品の摂り過ぎ、頻回の下痢、抗生物質、鎮痛薬の内服など)ビオチン欠乏の場合、赤ちゃんにも引き継がれることがわかっています。

 

日頃から腸内環境を良好に保ち、ビオチンの多い食品を適量食べるようにしましょう。

葉酸、B12


  • 脳神経の発育促進

葉酸には赤ちゃんの脳を発育を促し、神経をつくる働きがあります。脳神経は妊娠6週目頃にほぼできあがりますが、この時期はまだ妊娠に気がついていない可能性もあります。

 

  • 先天性異常の予防

葉酸欠乏は、神経管閉鎖障害という脳や脊髄の異常により二分脊椎症や無能症などの先天異常を起こしてしまう障害です。

 

ビタミンB12には葉酸を活性化し、血液を作る働きもあります。ビタミンB12と葉酸は常にセットで摂取するようにしましょう。

これらは肉・卵・チーズなどの乳製品に含まれていますが、葉酸は熱に弱い性質があります。より確実に摂取するためにはサプリメントを利用することをお薦めします。

ビタミンA


  • 神経・骨格形成

ビタミンAは骨や神経系の分化や骨格形成などに深く関わっています。

妊娠1〜2ヶ月の頃、胎児は活発に細胞分裂を繰り返しており、この時期にビタミンAが欠乏すると赤ちゃんの成長に影響が出やすくなり、歯並びが悪くなったり顎が細くなるなどの骨格の問題を抱えると言われています(ウィンストン・A・プライス著 食生活と身体の退化)。

また、粘膜が弱くなって感染症にかかりやすいという報告もあります。

 

  • 天然のビタミンAを摂ろう

一方、ビタミンAの過剰摂取を心配する声もあります。実際、皮膚角化症や感染治療、ニキビ治療などに用いられるビタミンA誘導体は妊娠前はもちろん、妊娠中も使用禁忌です。

 

ビタミンA誘導体や自然界にないビタミンA異性体は、催奇形性を持つものがあると報告されています。

また、医薬品としてのビタミンAやサプリメントの中の合成ビタミンAは服用に注意が必要です。食品に添加されたものにも気をつけましょう。

 

天然のビタミンAには催奇形性はありません。無投薬のレバーや発酵タラ肝油は文明以前の古くから先住民が摂取しており、安全性が実証されています。積極的に摂取しましょう。

 

カルシウム


カルシウムは赤ちゃんの発育に欠かせない栄養素です。

妊娠すると胎盤を通してカルシウムが移行し骨や歯をつくります。

妊娠中は900mg、授乳中は1100mg摂取すると良いでしょう。

 

カルシウムはほとんどが骨や歯などの組織内にありますが、細胞、血液、神経、筋肉にも存在しています。

カルシウムが不足すると自律神経の調節、筋肉や毛細血管の収縮、弛緩に影響します。

妊娠中に足がつったり痙攣するのはカルシウム欠乏状態を表しています。

 

カルシウムはストレスを鎮め、心を安定させる働きがあります。妊娠中のイライラにはカルシウム不足が影響しているかもしれません。

 

カルシウムの吸収を促進させるビタミンDが不足していると、カルシウムも不足します。日光を浴びると体内でビタミンDが合成されるのですが、美白のために日光を浴びないようにしている場合は食品からの摂取を積極的に行う必要があります。

発酵タラ肝油にはビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDは免疫機能も高めるので、妊婦にとても大切な栄養素でもあります。

 

カルシウムと言えば牛乳を思い出しますが、熱処理した牛乳はカルシウムの吸収を阻害し骨粗しょう症や骨折を引き起こす主な要因ということが判明しています。また、腸内環境を悪化させアレルギーを引き起こす要因でもあり、摂取が増えた1960年以降花粉症が増えたことが証拠として上げられています。(フランク・オスキー著 なぜ「牛乳」はからだに悪いのか)

 【カルシウムの多い食品】

煮干し、ヨーグルト、チーズ、ゴマ、ししゃも、鮭、小松菜など

 

DHA、EPA


DHA(ドコサヘキサエン)、EPA(エイサコペンタエン酸)は、ともに魚の脂に含まれる成分です。どちらもオメガ3脂肪酸で、イワシ、アジ、サンマ、カツオやマグロに多く含まれています。

「魚を食べると頭が良くなる」という歌の歌詞がありますが、これはDHAとEPAが脳の機能を高め、知能を高める効果があるからです。

 

2003年、ノルウェーで行われた実験では、妊娠18週〜産後3ヶ月までの590人の女性にタラ肝油(DHA、EPAが多く含まれる)とコーン油(EHA、EPAが含まれない)を毎日10ml摂ってもらう比較実験において、子どもが4歳になったときIQテストを行ったところ、タラ肝油を摂っていたママの子どものほうが問題解決能力や物事を順序立てて理解する能力が高かったのです。

 

妊娠中にDHA、EPAの摂取が不足すると、お腹の赤ちゃんにDHA、EPAが持って行かれてしまい、ママがマタニティブルーや産後うつになる危険性が高くなります。

うつ病患者は健常者に比べDHA、EPAが有意に低いようです

岡田斉、萩谷久美子、石原俊一ほか「Omega-3多価不飽和脂肪酸の摂取とうつを中心とした精神的健康との関連性について探索的検討-最近の研究動向のレビューを中心に」『人間科学研究』(30),2008,pp87-96.