不妊をまねく植物油

体脂肪をつきにくするイメージのある植物油。しかし、選ぶ種類を間違えると不妊をまねく恐れがあります。

脂質の基本


出典:All About

脂質には常温で溶ける不飽和脂肪酸と、常温で固まる飽和脂肪酸があります。


飽和脂肪酸は動物油に多く含まれています。

「とりすぎると動脈硬化の原因となる」とこれまで長い間認識されていましたが、実は動脈硬化の原因は飽和脂肪酸ではありませんでした。むしろ、飽和脂肪酸とコレステロールの摂取量が多いほど、死亡率が低くなることがわかってきました。

(本当は危ない植物油:奥山治美)


菜種(キャノーラ)油、べに花油、大豆油、ごま油などのリノール酸はコレステロール低下作用があるとして、健康に良いイメージでこれまで使用されてきましたが、実はコレステロールを下げると脳卒中のリスクが有意に上がることが最近わかりました。

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コレステロールは女性ホルモンの原料にもなり、これを下げる油は基本的には健康に何の意味もなかったということが明らかになっています。


リノール酸(オメガ6)とα−リノレン酸(オメガ3)は人体で作ることが出来ないため、食べ物で摂取する必要がある必須脂肪酸です。


しかし、近年はリノール酸(オメガ6)の摂り過ぎが問題になっています。

リノール酸とα−リノレン酸の摂取量は1:1程度が良いとされていますが、現代人はリノール酸が遥かに多く、50:1程度になっています。

リノール酸が多すぎると炎症性疾患(アレルギーや腸炎、肺炎、癌など)を引き起こします。

出来る限りα−リノレン酸を多く摂取していく必要があります。


α−リノレン酸は体内で10〜20%がEPA、DHAに変換されます。

EPAはリノレン酸の持つ炎症促進作用を抑制する働きがあります。

DHAは脳の発達を促したり、炎症性疾患を予防する働きがあります。


また、EPA、DHAは魚に多く含まれる油ですが、現代の日本人は魚の摂取量が低下したことにより、リノール酸の割合が増え、炎症性疾患が増加していると考えられます。

キャノーラ油(サラダ油)の危険性


キャノーラ油は菜種油を品種改良し作られたものです。

菜種油は本来食用に適さないため、日本では行灯(あんどん)に使われていました。

それをカナダの学者が研究して改良し、現在のキャノーラ油(カノーラとも呼ぶ)になりました。


実はこのキャノーラ油は環境ホルモン物質で有名なダイオキシンよりさらに強力な内分泌かく乱作用があります。


内分泌かく乱作用とは、摂取することにより体内で性ホルモンなどに似た働きをしてかく乱させ、受精・妊娠・出産という生殖機能に影響を及ぼしたり、発がん性や奇形を発生させる性質を言います。


また、男性においては性ホルモンの「テストステロン」を減少させ精子の減少、肛門と性器の間が狭くなりメス化が進むとされています。


内分泌かく乱作用を持つ油はキャノーラ油だけでなく、マーガリンなどのトランス脂肪酸、大豆油、べに花油、水素添加されたココナッツオイルなどにも含まれますが、キャノーラ油はダントツに内分泌かく乱作用が強いです。


妊娠を希望する男女はおろか、妊娠中・授乳中の女性も極力控えましょう。

マーガリンは欧米で禁止


トランス脂肪酸とは植物油に水素を添加し、常温で凝固するように作られた加工油です。

リノール酸を多く含み、心疾患促進作用、脳卒中促進作用や内分泌かく乱作用があります。


欧米ではすでに使用禁止の国があり、WHOもトランス脂肪酸の使用は明確な健康リスクがあると評価しています。

農水省リンク http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/trans_eikyou.html


食品の原材料名に「食用精製加工油脂」「ファストスプレッド」「マーガリン」「ホイップクリーム」などとかかれた物は使わないほうが良いでしょう。




オリーブ油は少量に


オリーブオイルはコレステロール低下作用があるとして健康によいイメージですが、すでに述べたように、コレステロールを下げることが健康増進につながらないのは明白になりました。コレステロール値は高い方が長生きします。


オリーブオイルは動物実験において、摂取エネルギーの6%でも有意に発ガン促進作用があることを示しました。(Onogi Nら、 Carcinogenesis 1996;17: 1291)


また、カナダおよび日本のグループはオリーブオイルの脳出血促進作用を発見しました。



その他の植物油


以下に各植物油のリスクを示します。


パーム(ヤシ)油:発がん促進作用(Narisawa Tら、Jpn J Cancer Res 1991; 82: 1089-96)


ごま油:リノール酸が多く、炎症性疾患(アレルギー、癌、腸炎など)を引き起こす


ひまわり油: リノール酸が多い。高オレイン酸型のひまわり油は脳卒中ラットの寿命を短縮しました。


大豆油:アレルギー反応性を高め、発がん促進作用がある。


べに花油:リノール酸が多く、発がん促進、アレルギー反応性を高める


コーン油:寿命短縮作用が認められた


推奨する植物油


推奨する植物油

1位:エゴマ(シソ)油

2位:亜麻仁油・フラックス油

以下なし


どちらとも、リノール酸の摂り過ぎによる炎症性疾患の予防に効果があります。α−リノレン酸は優先的にエネルギー源として使われ、食べても蓄積せず、安心安全に摂取できます。


他の植物油はリノール酸が多く、有害作用も報告されているため、動物性油脂の方がはるかに安全です。

推奨する動物油


食用油研究の第一人者である奥山治美氏によれば


推奨する動物性油

1位:魚油

2位:バター

3位ラード

4位:牛脂


1位の魚油はEPA、DHAが豊富で、これらはα−リノレン酸より高い炎症性疾患予防の効果があります。体脂肪になることなくすぐにエネルギーとして使われます。


とくに、動物性油の魚油である発酵タラ肝油は脂溶性ビタミン、鉄分が豊富です。

魚は一般的に水銀貯留の心配があり、妊娠を希望される女性は大型魚であるマグロなどは控える必要がありますが、発酵タラ肝油は重金属検査をパスした天然のタラの肝臓のみを使用しているので安心して摂取できます。


2位のバターはリノール酸が少なく安全性が高い油です。脳卒中予防効果が期待できます。

牛乳の乳糖やたんぱく質のカゼインがほとんどないので、乳糖不耐症やカゼインアレルギーの方でも比較的摂取しやすい油です。


位のラードは脳卒中予防効果が期待できます。酸化しにくい油脂であり、揚げ物に最適です。また、豚の脂は人間に近いため、スキンケアに使っても保湿効果が良く肌がしっとりします。


4位の牛脂にはラクトンという成分があり、これが料理に甘味や旨味を与えてくれます。

調理には牛脂を使ってみると、いつもとひと味ちがう美味しさが楽しめます。

また、脳卒中予防効果が期待できます。



参考文献:

本当は危ない植物油(奥山治美 角川書店)

油の正しい選び方・摂り方(奥山治美他 農文協)