不妊の原因

栄養不足が不妊に関係している


 

加工食品が多い現代。

食品の中に含まれる栄養素は年々低下しています。

 

妊娠を考える前であれば、コンビニ食や冷凍食品、外食に頼ってしまうことも多いでしょう。

 

しかし、こう言った食品は栄養が失われており、生命力もありません。

 

身体をつくり、体調を整え、妊娠しやすい身体になるために栄養素とエネルギーは欠かすことはできません。

 

是非この機会に必須栄養素の必要性を学んでいきましょう。 

 

栄養の基礎


栄養素には5大栄養素である たんぱく質 炭水化物 脂質 ビタミン ミネラルがあります。

このうち必須栄養素は必須アミノ酸(たんぱく質)必須脂肪酸(脂質)、ビタミン、ミネラルです。

 

必須栄養素は身体の中で作ることの出来ない栄養素です。

 

よく耳にする三大栄養素は炭水化物 たんぱく質 脂質 のことで、これは食事から得られるエネルギーの多いものを表しています。

 

炭水化物(糖質)は体の中でつくることができるので必須栄養素ではありませんが、容易にエネルギーを産生でき、消化にエネルギーを費やすことも少ないのが特徴です。

 

 

 

たんぱく質不足


たんぱく質不足の女性の傾向は以下のとおりです。

 

 

❏ご飯やパン、麺類などで食事を済ませることが多い

❏ダイエットをしている

❏豆類、肉、乳製品、魚介類、卵などタンパク質の多い食品をあまり食べない

❏月経周期が短い(24日以内)、または長い(39日以上)

 

このうち2つ以上当てはまった方はたんぱく質不足により妊娠しにくい可能性があります。

 

たんぱく質は生きていく上でとても大切な栄養素です。

 

皮膚、骨、髪、爪、歯から血液、筋肉、内蔵、ホルモン、消化酵素の材料などになります。

 

 

ただし、タンパク質の摂取量が多いと消化が間に合わず腸内環境を荒らす原因にもなります。

ご自身の消化力に合わせ、朝・昼は控えめにしたり、こまめに摂取するなどし、体質に合わせたタンパク質の摂取を心がけましょう。

鉄不足


鉄不足は生理不順、体調不良とも関係しています。

 

鉄不足の女性の傾向は以下のとおりです。

 

❏健康のために肉を控えている

❏めまいや立ちくらみを感じる

❏手足が冷えやすい

❏よく頭痛がする

❏階段をのぼると息切れがしたり、夕方に疲労感を覚える

❏アザが出来やすい

❏月経量が多い

 

このうち2つ以上当てはまった方は鉄不足の可能性があります。

 

健康診断などで貧血と診断されていなくても、鉄不足で上記のような症状が出ることがあります。それらの診断指標は「フェリチン」という検査項目で判定することができます。

 

鉄は子宮の粘膜をつくる材料になります。たんぱく質と同じくらい鉄は必要不可欠なものです。

 

食べ物に含まれる鉄は、植物性の非ヘム鉄、と動物性のヘム鉄があります。

ヘム鉄の方が非ヘム鉄に比べ吸収がしやすいのが特徴です。

 

レバーは少量でヘム鉄をたくさん摂取できます。

 

とはいえ、動物性食品を食べない場合であれば、野菜に含まれるビタミンCが非ヘム鉄の吸収を促してくれます。

 

ほうれん草は非ヘム鉄とビタミンCが豊富なので、造血効果が高いのが特徴です。また、タンパク質と一緒に摂ることで吸収率がアップします。

 

鉄の過剰摂取について、植物性であれば特に心配はしなくても良いでしょう。

 

サプリや動物性食品から鉄を摂取する場合は、吸収しきれない分が腸内で悪玉菌を増やすことが知られています。

適正量を摂取するよう心がけましょう。

 

ビタミンB不足


以下の項目のうち2つ以上当てはまる方はビタミンB不足の可能性があります。

 

❏肉を余り食べない

❏お酒をよく飲む

❏慢性的な肩こり

❏寝付きが悪かったり、眠りが浅い

❏集中力が続かない

❏口内炎がよく出来る

 

ビタミンBにはB1、B2, ビオチン、葉酸、B6,B12などがあり、これらを合わせてビタミンB群と言います。

ビタミンB群は代謝ビタミンとも呼ばれ、生命活動の源であるエネルギーの産生に欠かせない栄養素です。

単独で効果を発揮しにくく、相互に作用しながら働くため、ビタミンB群として複合的に摂取することが必要です。

 

エネルギーの代謝に不可欠なビタミンB群が不足すると、卵子もエネルギー不足になります。

また、妊娠のごく初期段階では、胎児の中枢神経系の発育にビタミンB群のなかのビタミンB12と葉酸が必要です。

 

ビタミンB群は全ての神経伝達物質の合成に関わっています。欠乏すると心の安らぎをコントロールするセロトニンや睡眠をコントロールするメラトニンができにくく成るため、不安やうつ、寝付きが悪い、眠りが浅いなどの睡眠障害が起こります。

 


さらに、ビタミンB群の欠乏は記憶力や集中力の低下をもたらします。

 

また、ビタミンB群はアルコールを分解する過程で失われ、糖質に含まれるブドウ糖を代謝する過程でも消費されます。

お酒をよく飲む人、甘い物やパン、お米が好きな人はそれだけ消費量が多くなるため、ビタミンB群が不足している可能性があります。

 

妊娠を考えている人に勧められるビタミンの一つに葉酸があります。

葉酸がブロッコリーやほうれん草に多く含まれていますが、ビタミンB12と一緒に摂らないと有効に働かないため、B12が豊富な肉類と共に食べないと効果はありません。

 

肉類を食べない場合にはサプリメントで補うと良いでしょう。

ビタミンC・ビタミンE不足


次の項目のうち2つ以上当てはまる方はビタミンC,E不足の可能性があります。

 

❏野菜や果物を余り食べない

❏運動を週3回以上している

❏ストレス解消のため甘いモノを食べることが多い

❏仕事や日常生活の中でストレスを感じることが多い

❏シミ・シワがきになる

❏寝ても疲れがとれない

 

ビタミンCは果物や野菜に多く含まれ、美容面で重要な栄養素です。

ビタミンCは外部から受けるストレス(風邪、人混み、喫煙、飲酒、過度の運動)から守る働きがあります。

この働きが「抗酸化作用」です。

 

身体がストレスを受けると「活性酸素」が発生します。

活性酸素は老化や病気を引き起こす一因になります。活性酸素が細胞を傷つけ遺伝子を傷付け老化を促進します(酸化)。

ストレスが多ければ多いほど、ビタミンC を始め、必要な栄養素はどんどん消耗してしまいます。

 

細胞が酸化し傷つくと妊娠が遠ざかるばかりか、病気の引き金にもなります。

なるべくストレスの少ない環境をつくるか、ビタミンCを積極的に摂取する必要があります。

 

ビタミンCは体の中で作ることはできませんが、リサイクルする機能があります。しかし、糖質を多く摂取してしまうとこのリサイクル機能は働きません。ビタミンCのドリンクには糖質が多く含まれていますので、せっかく摂取しても尿で流れでてしまいます。

果物の糖質も食べ過ぎればビタミンCを浪費してしまいます。


 

ビタミンEはあんこうの肝、魚卵、ナッツ類、オイル、アボカドなどに多く含まれています。

ビタミンEには血行を促進する作用、冷え性の改善、自律神経の調整、ホルモンを活性化する作用があり、ビタミンEが不足していると生理不順や生理痛が重い、胃腸の調子が悪いといった症状として現れます。

 

また、ビタミンEにも抗酸化作用があります。ビタミンCと一緒に取ることでその働きは強化されます。ビタミンCのリサイクルはビタミンEがないと働きません。

ビタミンCとEの抗酸化作用が卵子の老化(酸化)を防いでくれるのです。

 

アボカドにレモン汁入の手作りドレッシングをかけると一緒に摂取することができます。

 

糖質の摂り過ぎ


次の項目のうち2つ以上当てはまる方は糖質の摂り過ぎです。

 

❏朝はパン、シリアル派

❏食事はおにぎり、パンなどの単品が多い

❏チョコレートやスナック菓子を食事代わりにして食べることがある

❏清涼飲料水や甘いお菓子をほぼ毎日食べている

❏甘い物を食べると、イライラや不安感がやわらぐ

❏食後、眠くなる

❏眠前に食べないと眠れない(お酒や甘い物)

 

甘い物以外にも糖質は多く含まれます。

それが炭水化物。

炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたもののことを言います。

 

穀類や根菜類に多く含まれており、主食のご飯や麺、パンが実は糖質のかたまりです。

 

糖質が妊娠に良くない理由はこちらもご参照ください。

 

糖質を摂取すると「血糖値」が上がります。

血糖値とは血液中の糖質(ブドウ糖)のことで、通常はホルモンによって一定の値に調整されています。

 

血糖値の濃度が高くなると血管が傷つけられてしまうため、インスリンというホルモンが分泌され、血糖値を下げるように働きます。

逆に濃度が低くなりすぎるとアドレナリンなどのホルモンが分泌され、血糖値を上げるように作用します。

 

腸内環境が良くない人や、肥満傾向の方は糖質摂取により血糖値が通常よりも上がりやすい傾向にあります。

これは「インスリン」の分泌が正常に働かないことから起こります。

 

こう言った場合には、糖質を減らすことで一時的に血糖の上昇を抑えられますが、根本解決には腸内環境の改善と減量(低脂肪食による)が良いでしょう。

 

 

妊娠を考えている女性にとって問題なのは、血糖を下げようとするインスリンというホルモンの過剰分泌は、排卵障害の重大な原因になっていたり、子宮内膜症(子宮内膜が子宮外で増殖する病気で不妊の一因)の発症や進展が促されることです。

 

現代人の食生活は糖質過多の傾向があります。

白米や小麦、砂糖、ブドウ糖果糖液糖は生成された糖質のため、血糖値を急激にあげるリスクがあります。

なるべくこういったものは避け、天然の甘味である果物や、雑穀米、全粒粉のパンなど、血糖の上昇をゆるやかにする食事が良いでしょう。

 

 

男性不妊


不妊の原因の半分は男性側にあると言われています。

次の項目のうち2つ以上当てはまる方は男性不妊の可能性があります。

 

❏昼食は立ち食いそばやうどんなどの単品で済ませている

❏カップラーメンやレトルト食品をよく食べる

❏残業で遅くなり、深夜帰宅してから食事を摂る

❏つきあいなどで週に3回以上お酒を飲んでいる

❏お酒のつまみには揚げ物などの脂っこいものをよく頼む

❏飲んだ後の締めのラーメン、お茶漬けは欠かせない

❏味が分からない、濃い味付けを好む

 

 

ここでは積極的に摂るべき栄養素、避けるべきものをお伝えしていきます。

 

 

【積極的に摂るべき栄養素】

亜鉛

食事で不妊を改善したい場合、まず「亜鉛」の摂取をお勧めします。

亜鉛は牡蠣、牛肉などに多く含まれます。

 

亜鉛は精子形成や前立腺の働き、精子の運動と活性化に関わっています。

亜鉛が欠乏すると、意欲や性欲が低下します。

 

加工食品やインスタント食品をよく食べ、飲酒する機会の多い男性は亜鉛欠乏になりやすいと言われています。亜鉛欠乏は味覚の低下も引き起こします。濃い味付けを好む場合は味覚が弱くなっている可能性があるので、積極的に亜鉛の摂取をしましょう。

 

 

DHA

青魚に多く含まれるDHAは、精子や清掃に多く含まれており、DHAが不足すると生殖能力の低下をもたらすことがわかっています。

 

ビタミンA

ビタミンAが欠乏すると精巣が萎縮視不妊の一因になります。

動物実験では睾丸や貯精のうの萎縮、精母細胞の減少、精子の形成障害が見られます。

 

パントテン酸

ビタミンB群に含まれるパントテン酸は、欠乏すると精子の形成が阻害されます。

加工食品ばかりの食べ物やストレス方になると不足する可能性のある栄養素です。

 

ビタミンE

欠乏すると動物において精巣の萎縮、変性、下垂体前葉ホルモン産生細胞の機能低下などが見られます。ビタミンEの摂取により精子形成能力の低い人が改善したという報告が多く見られています。

 

【避けるべきもの】

植物油

食用油のサラダ油(大豆由来)やキャノーラ油(菜種由来)などの植物油には内分泌かく乱作用があり、不妊の原因となります。摂取しないよう極力避けましょう。

サラダには亜麻仁油、エゴマ油、エクストラバージンオリーブオイルを、揚げ物にはココナッツオイルを使うと良いでしょう。

 

小麦

小麦にはグルテンというたんぱく質が多く含まれており、このグルテンが不妊を引き起こす一因となってます。

とくにグルテン過敏症の人が影響を受けるのですが、あまり知られていないため自覚がないことがほとんどです。

小麦製品(パン、うどん、そば、パスタなど)を食べた後頭が痛くなったり、下痢をしたり、何かしら体調が悪くなる場合はグルテン過敏症である可能性が高いです。

 

グルテン過敏症に見られる症状は多岐に渡りますが、一例をご紹介します。

 

ADHD、アルコール依存症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、自閉症、運動失調、自己免疫疾患、癌、乳製品過敏症、成長遅延、うつ病、消化困難、蕁麻疹、生殖不能、過敏性腸症候群、食べ物の消化不良、偏頭痛、流産、秋け、神経障害(認知症、アルツハイマー病、統合失調症)、パーキンソン病、てんかん、などなど

 

 

食事で改善しない場合


食事で必須栄養素を十分にとることで子宮、卵巣、ホルモンの環境を整え、妊娠しやすい体質になります。

しかし、食事では改善しない場合は「卵管狭窄」「卵管閉塞」「子宮奇形」「子宮筋腫」「子宮ポリープ」「子宮内膜症」などの可能性があるため、医師への相談が必要となります。


「卵巣機能不全」「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」「黄体機能不全」などの排卵や卵巣が原因の不妊の場合、栄養不足や食事のとり方が影響している可能性があります。


不妊治療を続けていてなかなか妊娠に至らない場合、食事改善に取り組みながら治療を一度休んでいる間に妊娠に至る方もいらっしゃるようです。


不妊治療を行っている方もそうでない方も、いつでも妊娠できる状態に身体の調子を整えておくことが大切です。


参考:図で見てわかる栄養セラピー 妊娠体質に変わる食事(定真理子 青春出版社)