不妊の原因

栄養不足が不妊に関係している


ダイエットや美容のために野菜中心の食生活をしている女性が増えています。また、大豆製品を増やし、動物性のたんぱく質・脂質を控えている方が多いようです。


しかし、妊娠をしたいと思ったら、これらの食生活ではその希望を叶えるのは困難です。

なぜなら、野菜や大豆製品などの植物性の食品では必須栄養素が不足し「栄養不足」になってしまうからです。


身体をつくり、体調を整え、妊娠しやすい身体になるために必須栄養素は欠かすことはできません。

また、これまでテレビや雑誌、インターネットで言われてきた「ヘルシー」が実は健康的ではなかったことも続々と判明してきています。


是非この機会に必須栄養素の必要性を学んでいきましょう。 


栄養の基礎


栄養素には5大栄養素である たんぱく質 炭水化物 脂質 ビタミン ミネラルがあります。

このうち必須栄養素は必須アミノ酸(たんぱく質)必須脂肪酸(脂質)、ビタミン、ミネラルです。


必須栄養素は身体の中で作ることの出来ない栄養素です。


よく耳にする三大栄養素は炭水化物 たんぱく質 脂質 のことで、これは食事から得られるエネルギーの多いものを表しています。


炭水化物(糖質)は体の中でつくることができるので必須栄養素ではありません。



たんぱく質不足


たんぱく質不足の女性の傾向は以下のとおりです。

 

❏たんぱく質は豆腐や納豆でとっている

❏健康と美容のために野菜中心を心がけている

❏コレステロールが心配なので、卵を毎日食べないようにしている

❏ご飯やパン、麺類などで食事を済ませることが多い

❏ダイエットをしている

❏月経周期が短い(24日以内)、または長い(39日以上)

 

このうち2つ以上当てはまった方はたんぱく質不足により妊娠しにくい可能性があります。

 

たんぱく質は生きていく上でとても大切な栄養素です。皮膚、骨、髪、爪、歯から血液、筋肉、内蔵、ホルモンの材料などになります。

 

これらは植物性の大豆(豆乳、豆腐など)を大量に摂取しても得ることはできません。

そればかりか、大豆には内分泌かく乱作用があり、月経周期を乱れさせ、妊娠しづらい身体にしてしまいます。


さらに、大豆は他の栄養素の吸収を阻害する作用もあります。

妊娠を考えている女性は極力避けることをお勧めします。

 

動物性のたんぱく質である肉には必須栄養素がたっぷり含まれています。

しかも、信じられないかもしれませんが肉にはダイエットや美容効果があります。

脂たっぷりの肉でも心配する必要はありません。

 

体脂肪は摂取した脂肪でできているのではなく、食べ過ぎた糖質からできています。

だから、肉や脂を避けたからといって痩せるわけではありません。

 

肉や脂はカロリーが高いから避けている方がいますが、カロリーが高いことが太ることに繋がるわけではありません。カロリーと体重増加は無関係です。

 

むしろ、植物性の食品ばかりをとりカロリーが低い状態が続くと飢餓状態となり、身体は代謝を著しく下げて生命を守ろうとします。そうなると一日800kcalしか食べていなくても太りやすくなります。

痩せたいならカロリーを制限してはいけません。

 

肉に含まれる脂肪は飽和脂肪酸として嫌われていますが、飽和脂肪酸は動脈硬化を起こすリスクが低いことが判明しています。

 

コレステロールも動脈硬化を起こすとして嫌われていますが、それも間違いであることが判明しています。

逆にコレステロールを下げる医療が脳卒中を引き起こしています。

 

また、食品のコレステロールは血中コレステロールに関わらないことも明らかになりました。

 

コレステロールの大切な役割に、体内でホルモンを作るという働きがあります。コレステロール値が低いと女性ホルモンの材料不足のため排卵にも影響し、月経不順や無排卵の引き金になります。

 

コレステロールは脂肪の一種なので水に溶けにくく、たんぱく質と結合することで血液内を移動できるようになります。

妊娠しやすい体質に近づくためには、コレステロールとたんぱく質を一緒にとることが大切になります。

鉄不足


鉄不足は生理不順、体調不良とも関係しています。

 

鉄不足の女性の傾向は以下のとおりです。

 

❏健康のために肉を控えている

❏めまいや立ちくらみを感じる

❏手足が冷えやすい

❏よく頭痛がする

❏階段をのぼると息切れがしたり、夕方に疲労感を覚える

❏アザが出来やすい

❏月経量が多い

 

このうち2つ以上当てはまった方は鉄不足の可能性があります。

 

健康診断などで貧血と診断されていなくても、鉄不足で上記のような症状が出ることがあります。それらの診断指標は「フェリチン」という検査項目で判定することができます。

 

鉄は子宮の粘膜をつくる材料になります。たんぱく質と同じくらい鉄は必要不可欠なものです。

 

鉄不足を補うためにほうれん草やプルーンを食べても解消されません。

植物性の鉄は吸収率が非常に悪いからです。

 

鉄を補いたいときは動物性の食品を選びましょう。

例えばレバーや赤身肉、魚などの動物性たんぱく質に含まれる鉄は吸収率が植物性の5倍もあります。

 

レバー嫌いの方は、こちらのレバーペーストをお勧めします。

無添加で安全ですし、大変食べやすい商品です。

ビタミンB不足


以下の項目のうち2つ以上当てはまる方はビタミンB不足の可能性があります。

 

❏肉を余り食べない

❏お酒をよく飲む

❏慢性的な肩こり

❏寝付きが悪かったり、眠りが浅い

❏集中力が続かない

❏口内炎がよく出来る

 

ビタミンBにはB1、B2, ビオチン、葉酸、B6,B12などがあり、これらを合わせてビタミンB群と言います。

ビタミンB群は代謝ビタミンとも呼ばれ、生命活動の源であるエネルギーの産生に欠かせない栄養素です。

単独で効果を発揮しにくく、相互に作用しながら働くため、ビタミンB群として複合的に摂取することが必要です。

 

エネルギーの代謝に不可欠なビタミンB群が不足すると、卵子もエネルギー不足になります。

また、妊娠のごく初期段階では、胎児の中枢神経系の発育にビタミンB群のなかのビタミンB12と葉酸が必要です。

 

ビタミンB群は全ての神経伝達物質の合成に関わっています。欠乏すると心の安らぎをコントロールするセロトニンや睡眠をコントロールするメラトニンができにくく成るため、不安やうつ、寝付きが悪い、眠りが浅いなどの睡眠障害が起こります。

 


さらに、ビタミンB群の欠乏は記憶力や集中力の低下をもたらします。

 

また、ビタミンB群はアルコールを分解する過程で失われ、糖質に含まれるブドウ糖を代謝する過程でも消費されます。

お酒をよく飲む人、甘い物やパン、お米が好きな人はそれだけ消費量が多くなるため、ビタミンB群が不足している可能性があります。

 

妊娠を考えている人に勧められるビタミンの一つに葉酸があります。

葉酸がブロッコリーやほうれん草に多く含まれていますが、ビタミンB12と一緒に摂らないと有効に働かないため、B12が豊富な肉類と共に食べないと効果はありません。

ビタミンC・ビタミンE不足


次の項目のうち2つ以上当てはまる方はビタミンC,E不足の可能性があります。

 

❏野菜や果物を余り食べない

❏運動を週3回以上している

❏ストレス解消のため甘いモノを食べることが多い

❏仕事や日常生活の中でストレスを感じることが多い

❏シミ・シワがきになる

❏寝ても疲れがとれない

 

ビタミンCは果物や野菜に多く含まれ、美容面で重要な栄養素です。

ビタミンCは外部から受けるストレス(風邪、人混み、喫煙、飲酒、過度の運動)から守る働きがあります。

この働きが「抗酸化作用」です。

 

身体がストレスを受けると「活性酸素」が発生します。

活性酸素は老化や病気を引き起こす一因になります。活性酸素が細胞を傷つけ遺伝子を傷付け老化を促進します(酸化)。

ストレスが多ければ多いほど、ビタミンC を始め、必要な栄養素はどんどん消耗してしまいます。

 

細胞が酸化し傷つくと妊娠が遠ざかるばかりか、病気の引き金にもなります。

なるべくストレスの少ない環境をつくるか、ビタミンCを積極的に摂取する必要があります。

 

ビタミンCは体の中で作ることはできませんが、リサイクルする機能があります。しかし、糖質を多く摂取してしまうとこのリサイクル機能は働きません。ビタミンCのドリンクには糖質が多く含まれていますので、せっかく摂取しても尿で流れでてしまいます。

果物の糖質も食べ過ぎればビタミンCを浪費してしまいます。


 

ビタミンEはあんこうの肝、魚卵、ナッツ類、オイル、アボカドなどに多く含まれています。

ビタミンEには血行を促進する作用、冷え性の改善、自律神経の調整、ホルモンを活性化する作用があり、ビタミンEが不足していると生理不順や生理痛が重い、胃腸の調子が悪いといった症状として現れます。

 

また、ビタミンEにも抗酸化作用があります。ビタミンCと一緒に取ることでその働きは強化されます。ビタミンCのリサイクルはビタミンEがないと働きません。

ビタミンCとEの抗酸化作用が卵子の老化(酸化)を防いでくれるのです。

 

アボカドにレモン汁入の手作りドレッシングをかけると一緒に摂取することができます。

 

糖質の摂り過ぎ


次の項目のうち2つ以上当てはまる方は糖質の摂り過ぎです。

 

❏朝はパン、シリアル派

❏食事はおにぎり、パンなどの単品が多い

❏チョコレートやスナック菓子を食事代わりにして食べることがある

❏清涼飲料水や甘いお菓子をほぼ毎日食べている

❏甘い物を食べると、イライラや不安感がやわらぐ

❏食後、眠くなる

❏眠前に食べないと眠れない(お酒や甘い物)

 

甘い物以外にも糖質は多く含まれます。

それが炭水化物。

炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたもののことを言います。

 

穀類や根菜類に多く含まれており、主食のご飯や麺、パンが実は糖質のかたまりです。

 

糖質が妊娠に良くない理由はこちらもご参照ください。


糖質を摂取すると「血糖値」が上がります。

血糖値とは血液中の糖質(ブドウ糖)のことで、通常はホルモンによって一定の値に調整されています。


血糖値の濃度が高くなると血管が傷つけられてしまうため、インスリンというホルモンが分泌され、血糖値を下げるように働きます。

逆に濃度が低くなりすぎるとアドレナリンなどのホルモンが分泌され、血糖値を上げるように作用します。


糖質を含んだ食事をすると血糖値は上がりますが、糖質のない食事をすれば血糖値は上がりません。


こちらは白米を食べた時と焼き肉を食べた時の血糖値の上がり下がりをグラフにしたものです。

左)糖質を多く含む白米を食べてから血糖値は一気に上昇し、その後3〜4時間で空腹時と同じ値になります。

食後眠くなるのは血糖値が一気に上がった時であり、食後数時間でお腹が空くのは血糖値が下がったためです。このまま、血糖が下がり続けると生命の危険にさらされるため、興奮作用のあるアドレナリンなどのホルモンが一気に分泌され、イライラや不安感を引き起こします。

このように血糖値のアップダウンが激しいと「低血糖症」となります。

 

右)糖質をほとんど含まない食事(焼き肉)をした時には血糖の上がり下がりはありません。なぜなら、肉のたんぱく質にも脂質にも血糖値を上げる糖質がほとんど含まれていないからです。

 

妊娠を考えている女性にとって問題なのは、血糖を下げようとするインスリンというホルモンの過剰分泌は、排卵障害の重大な原因になっていたり、子宮内膜症(子宮内膜が子宮外で増殖する病気で不妊の一因)の発症や進展が促されることです。

 

現代人の食生活は糖質過多の傾向があります。糖質を取り過ぎないように意識して食べないと、それだけで妊娠から遠ざかることになってしまいます。妊娠を考えたらできるだけ糖質の低い食品を選び、お菓子や甘いものを避けるなどの努力が必要になります。

 

とはいえ、甘い物を避けるのはかなりの精神力が必要に感じるかもしれません。

「食べたいのを我慢するとストレスでよけい妊娠しにくいのでは?」と思うかもしれません。

 

実は甘い物を減らすにはコツがあります。しかも、我慢し続ける必要はなく、ちょっとした工夫をすれば簡単にやめることも可能です。

 

その方法について、こちらのブログで紹介しています。是非ご参考にどうぞ。

男性不妊


不妊の原因の半分は男性側にあると言われています。

次の項目のうち2つ以上当てはまる方は男性不妊の可能性があります。


❏昼食は立ち食いそばやうどんなどの単品で済ませている

❏カップラーメンやレトルト食品をよく食べる

❏残業で遅くなり、深夜帰宅してから食事を摂る

❏つきあいなどで週に3回以上お酒を飲んでいる

❏お酒のつまみには揚げ物などの脂っこいものをよく頼む

❏飲んだ後の締めのラーメン、お茶漬けは欠かせない

❏味が分からない、濃い味付けを好む



ここでは積極的に摂るべき栄養素、避けるべきものをお伝えしていきます。



【積極的に摂るべき栄養素】

亜鉛

食事で不妊を改善したい場合、まず「亜鉛」の摂取をお勧めします。

亜鉛は牡蠣、牛肉などに多く含まれます。


亜鉛は精子形成や前立腺の働き、精子の運動と活性化に関わっています。

亜鉛が欠乏すると、意欲や性欲が低下します。


加工食品やインスタント食品をよく食べ、飲酒する機会の多い男性は亜鉛欠乏になりやすいと言われています。亜鉛欠乏は味覚の低下も引き起こします。濃い味付けを好む場合は味覚が弱くなっている可能性があるので、積極的に亜鉛の摂取をしましょう。



DHA

青魚に多く含まれるDHAは、精子や清掃に多く含まれており、DHAが不足すると生殖能力の低下をもたらすことがわかっています。


ビタミンA

ビタミンAが欠乏すると精巣が萎縮視不妊の一因になります。

動物実験では睾丸や貯精のうの萎縮、精母細胞の減少、精子の形成障害が見られます。


パントテン酸

ビタミンB群に含まれるパントテン酸は、欠乏すると精子の形成が阻害されます。

加工食品ばかりの食べ物やストレス方になると不足する可能性のある栄養素です。


ビタミンE

欠乏すると動物において精巣の萎縮、変性、下垂体前葉ホルモン産生細胞の機能低下などが見られます。ビタミンEの摂取により精子形成能力の低い人が改善したという報告が多く見られています。


【避けるべきもの】

植物油

食用油のサラダ油(大豆由来)やキャノーラ油(菜種由来)などの植物油には内分泌かく乱作用があり、不妊の原因となります。摂取しないよう極力避けましょう。

油は亜麻仁油、エゴマ油、ラード、牛脂を使い、揚げ物にはラードを使いましょう。


小麦

小麦にはグルテンというたんぱく質が多く含まれており、このグルテンが不妊を引き起こす一因となってます。

とくにグルテン過敏症の人が影響を受けるのですが、あまり知られていないため自覚がないことがほとんどです。

小麦製品(パン、うどん、そば、パスタなど)を食べた後頭が痛くなったり、下痢をしたり、何かしら体調が悪くなる場合はグルテン過敏症である可能性が高いです。


グルテン過敏症に見られる症状は多岐に渡りますが、一例をご紹介します。


ADHD、アルコール依存症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、自閉症、運動失調、自己免疫疾患、癌、乳製品過敏症、成長遅延、うつ病、消化困難、蕁麻疹、生殖不能、過敏性腸症候群、食べ物の消化不良、偏頭痛、流産、秋け、神経障害(認知症、アルツハイマー病、統合失調症)、パーキンソン病、てんかん、などなど



食事で改善しない場合


食事で必須栄養素を十分にとることで子宮、卵巣、ホルモンの環境を整え、妊娠しやすい体質になります。

しかし、食事では改善しない場合は「卵管狭窄」「卵管閉塞」「子宮奇形」「子宮筋腫」「子宮ポリープ」「子宮内膜症」などの可能性があるため、医師への相談が必要となります。


「卵巣機能不全」「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」「黄体機能不全」などの排卵や卵巣が原因の不妊の場合、栄養不足や食事のとり方が影響している可能性があります。


不妊治療を続けていてなかなか妊娠に至らない場合、食事改善に取り組みながら治療を一度休んでいる間に妊娠に至る方もいらっしゃるようです。


不妊治療を行っている方もそうでない方も、いつでも妊娠できる状態に身体の調子を整えておくことが大切です。


参考:図で見てわかる栄養セラピー 妊娠体質に変わる食事(定真理子 青春出版社)